【Q&A】過払い金を無料で調べる方法は?過払い金請求のデメリットとは?
- 執筆者弁護士 山本哲也
「自分にも過払い金があるか知りたいけれど、無料で調べる方法はあるの?」
過払い金があるか無いか、無料で調べる方法はあるのか気になっている方は多いと思います。
また、実際に過払い金の請求をした場合、デメリットがあるのか気になるという声も良く聞きます。
実際のところはどうなのか、群馬県で数多くの過払い金取り戻し実績を持つ弁護士が解説します。
過払い金があるか見分ける方法
過払い金があるかどうか知るためには、まず、過払い金が発生する条件を満たしているかの確認が必要です。
次の条件をすべて満たしていれば、過払い金が発生している可能性が高いといえます。
- ① 平成19年(2007年)よりも前からキャッシングを始めた
- ② 銀行、ショッピング、住宅ローン、車のローン等には該当しない借り入れである
- ③ 完済から10年経っていない
それぞれの条件について、詳しく見ていきましょう。
【条件①】平成19年(2007年)よりも前からキャッシングを始めた
過払い金が発生する理由は、法律が改正される前の高い金利でお金を借りていた事が原因です。
高い金利でお金を借りると、返済時にも高い利息を支払い続けていた事となり、払いすぎた利息が発生します。
この払いすぎた利息を「過払い金」といい、法的に返してもらう権利があるのです。
過払い金が発生するのは、法律改正前の平成19年(2007年)より前からのキャッシングが対象です。
現在は法律が改正されて適正な金利に引き下げが行われましたので、過払い金が発生する事はありません。
【条件②】銀行、ショッピング、住宅ローン、車のローン等には該当しない借り入れである
2つ目の条件は、過払い金が発生する借り入れである事です。
平成19年(2007年)よりも前からの借り入れでも過払い金が発生しない場合があるので注意が必要です。
それは次のような借り入れだったケースです。
- 銀行のローン
- ショッピングローン(家電、服飾品、エステ、太陽光発電導入等のローン)
- 住宅ローン
- 車のローン
- 法定金利内のキャッシング
上記に当てはまると、法律改正前の借り入れであっても過払い金は発生しません。
また、業者が破産してしまっている場合にも請求する事はできません。(武富士、三和ファイナンス、ネットカード)
【条件③】完済から10年経っていない
3つ目の条件は、完済してから10年経っていない事です。
過払い金は完済してから10年経ってしまうと、時効にかかって取り戻す権利自体が消滅してしまいます。
過払い金に時効があるという事は多くの方が知っていますが、「いつから10年なのか」を正確に把握している方はそれほど多くないかも知れません。
時効が完成するのは借金を完済した日から10年経った時点ですので、覚えておきましょう。
最後に返済をした日から10年が経過していると、時効にかかって取り戻す事ができなくなってしまいます。
【参考】過払い金の消滅時効に注意!
過払い金を調べる方法
過払い金は、次の3つに当てはまっていれば発生している可能性が高い事が分かりました。
- ① 平成19年(2007年)よりも前からキャッシングを始めた
- ② 銀行、ショッピング、住宅ローン、車のローン等には該当しない借り入れである
- ③ 完済から10年経っていない
しかし、「自分がいつから借り入れを始めたのか分からない」「完済日を覚えていない」「昔の事なので何も資料がない」という場合もあるでしょう。
そのような時は、次の方法を使えば無料で借り入れ開始時期や完済時期を調べることができます。
方法①:業者から取引履歴を取り寄せて確認する
1つ目は、借り入れをしていた業者に自分で直接連絡し、取引履歴を取り寄せる方法です。
キャッシングを行っていた場合、貸金業者は必ず取引履歴と呼ばれる記録を作成しています。
この記録を見れば、いつから借り入れを始めたか、金利は何%だったのか、完済した日付まですべて確認する事ができます。
「取引履歴を確認したい」と業者に依頼すれば無料で送付してくれますので、まずは連絡してみましょう。
さらに、ネット上にあるフリーソフトを使えば、取引履歴にある情報を入力する事で過払い金の額まで計算する事が可能です。
【メリット】
この方法の最大のメリットは、調査をすべて自分で行うため料金が発生しない点です。
【デメリット】
デメリットの1つ目は、自分で対応しなければならないため手間がかかる点です。
2つ目は、取引履歴は複雑な書式になっており、慣れていない方は一見して必要な情報を確認するのは難しい点です。
3つ目は、実際に過払い金が発生している可能性が高い事が分かっても、その後の取り戻し手続きは一般の方には対応が困難であるため、結局は専門家への依頼が必要になる点です。
方法②:専門の弁護士に過払い金の調査を依頼する
無料で過払い金を調べる方法の2つ目は、専門の弁護士に過払い金の調査を依頼する方法です。
「弁護士に頼むとお金がかかるんじゃないの?」「過払い金があるかないか分からないのに、弁護士はちょっと・・・」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、過払い金調査だけであれば無料という弁護士は多いです。
さらに、山本総合法律事務所では、調査の結果、過払い金がなかったとしても費用は一切かかりませんので、お気軽に調査を依頼いただく事が可能です。
また、「過払い金なら司法書士も取り扱っているけど・・・」と思われる方もいるでしょう。
実は、過払い金が140万円を超えている場合、司法書士では取り戻しの手続きができません。
弁護士であれば、過払い金の額に関係なくすべてのケースを引き受ける事が可能ですので、最初から弁護士に調査を依頼した方が手間がありません。
【メリット】
メリットの1つ目は、専門家に任せる事で正確な過払い金額が分かる点です。
2つ目は、過払い金の調査から取り戻し手続きまで一括して任せられるため、手間がかからない点です。
【デメリット】
デメリットとしては、調査だけは無料で可能ですが、その後の取り戻し手続きを依頼した場合は費用がかかる点です。
ただし、成功報酬制の弁護士に依頼すれば、実際に取り戻せた過払い金から費用を払えますし、取り戻せなかった場合には費用がかかりませんので安心して依頼できるでしょう。
過払い金請求の方法
過払い金が発生している事が分かったら、いよいよ業者に請求手続きを行います。
引き直し計算した結果をもとに請求通知を送付し、業者と交渉を行います。通知を送付しただけですぐに過払い金を返してくれる業者はほとんど無く、希望の金額でお互いが合意するまで交渉を続ける必要があります。
中には、「これ以上の金額は出せないので、後は裁判して下さい」という態度を取る業者もいます。
過払い金請求の交渉や裁判は、一般の方が対応するにはハードルが高いため、なるべく専門家(中でも140万円の制限がない弁護士)に依頼する事をおすすめします。
弁護士選びは慎重に
また、依頼する弁護士によって取り戻せる過払い金の額に差が出る事もありますので注意が必要です。
交渉を早く終わらせるために妥協した低い金額で合意したり、裁判をすればもっと高い金額を取り戻せるのに、その説明をせずに勝手に終わらせてしまう等です。
依頼するなら実績があって評判の良い、信頼できる弁護士を選ぶべきでしょう。
【参考】相談相手の選び方
過払い金請求のデメリット
「過払い金が発生していそうだけど、デメリットが心配」という方のために、過払い金請求をする際のデメリットについて解説します。
完済しているならデメリットはほぼ無し
完済している業者に対して過払い金請求を行うのであれば、デメリットはほぼ無いと考えて良いでしょう。
完済した業者に過払い金請求を行うのであれば、信用情報機関に事故情報が登録(いわゆるブラックリスト状態)される事はありません。
ただし、過払い金請求をした業者から再度借り入れする事は難しい可能性があります。
また、キャッシング枠は完済していても、ショッピング枠を使用している場合にはブラックリスト状態になってしまう可能性がありますので注意が必要です。詳しくは次で解説します。
返済中の場合はブラックリストに登録される
借金の返済が終わっていない業者に対して過払い金請求を行い、借金の額よりも過払い金の額が少なかった場合はブラックリスト状態になってしまいます。
この場合の借金とはショッピングの利用も含みます。
実際にはブラックリストと呼ばれるものは存在していませんが、信用情報機関に事故情報が登録される事を一般的にブラックリスト状態と表現しています。
借金の額よりも過払い金が少なく、残債が残ってしまう場合「任意整理」を行ったのと同じ扱いになってしまうからです。
任意整理をするとその後の生活はどう変わってしまうのか、詳しくはこちらをご覧ください。
ブラックリスト状態になってしまうと、その後5年間程度は新たなクレジットカードの作成や、新規でローンを組む事ができなくなってしまいます。
また、今使えるクレジットカードもいずれ停止されてしまいます。
完済できるならその後に過払い金請求を行う
もし借金の額が残り少ないのであれば、完済してから過払い金請求を行うほうが安心です。
ショッピング利用がある場合も、支払いを完了させたり引き落としを停止する等して残債が無い状態にしてからが良いでしょう。
残債の額が大きかったり、返済を続ける事が難しい場合には、一度弁護士にご相談される事をおすすめします。
まとめ
まず、過払い金が発生している可能性が高いのは次の条件を満たしている場合です。
- ① 平成19年(2007年)よりも前からキャッシングを始めた
- ② 銀行、ショッピング、住宅ローン、車のローン等には該当しない借り入れである
- ③ 完済から10年経っていない
過払い金を無料で調べる方法として、自分で業者から取引履歴を取り寄せるか、無料で調査を行っている弁護士に依頼する方法があります。
過払い金の取り戻しは一般の方には対応が難しいので、調査から取り戻しまで一括して弁護士に依頼すれば手間がないでしょう。
また、過払い請求のデメリットは、残っている借金よりも過払い金の方が少なかった場合、任意整理の手続きとなりブラックリスト状態になってしまう点です。
完済した状態ならば、上記の心配はありません。
群馬で過払い金の請求をするなら山本総合法律事務所へ
山本総合法律事務所では、過払い金の調査を無料でお受けしています。調査の結果、過払い金が無かったとしても費用は一切いただきません。
また、2007年の開業以来、多数の過払い金取り戻し実績があり、妥協なく1円でも多く過払い金を取り戻す事をモットーにしております。
過払い金について気になる事、不安な事、聞いてみたい事があればお気軽にご連絡ください。
【参考】当事務所の解決事例
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